女性と犬

人、92,736回。犬、10,570回。

これは、人と犬が一生のうちに”ある行動”を何回行うかを計算した数字です。一体何の数字だと思いますか?

答えの前に、少し自己紹介を。

こんにちは、Idea dog chef(イデアドッグシェフ)スタッフNです。
私は動物、特に犬が好きで、これまで二頭の犬と一緒に暮らしてきました。

一頭目は、ボーダーコリーの男の子。

警戒心が強く神経質で、家族にはとても甘えん坊でずっとくっついていても、家族以外の人や犬にはほとんど懐きませんでした。

その子が亡くなった後に迎えた二頭目が、雑種の女の子。

二頭目とは正反対に人や犬が大好きで、初対面の犬も遊びに誘い、人には何をされても怒りません。
とは言え、必要以上には長く人のそばにくっついていたがらない様子や、自分の世界がありそうな様子などは、一頭目と比べるとドライだなぁと感じております。

そんな私は、Idea dog chefのお仕事をしていて、こんなことをよく考えます。

「一頭目を飼っていた時に、手作りご飯を知っていれば良かった。Idea dog chefのようなブランドを知っていれば良かった」と。

犬の一食の価値とは?

人、92736回。犬、10570回。

これは、人と犬がそれぞれ一生のうちに食事をする回数です。(※)

もちろん、寿命の長さや一日の食事回数などは個々で様々ですので、あくまでも平均寿命と、一般的に言われている食事回数からアバウトに算出した数値になります。

この数値を見ると、同じ一生であっても、たった1回の食事の価値の大きさ、重さがかなり異なっているように感じてきませんか?

人が一生で9万回以上食事をするのに対し、犬はたった1万回程度。
犬の1食には、人間で考えると9食分、その子の一生における価値や心・身体への影響があるとも言えるかもしれません。

だから、「なるべく美味しくて、なるべく身体に良くて優しくて、なるべく心も嬉しくなる」、そんなご飯を・食体験を、犬の一生のうちに沢山与えてあげることができればと思うのです。

このように考えるに至った背景には、我が家の一頭目の犬について、食事の面でちょっと後悔していることがあります。

※人:2020年 厚生労働省集計 日本人の平均寿命 男性81.64歳・女性87.74歳より全体84.69歳とする。食事回数を1日3食とする。
 犬:2020年 日本ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 犬の平均寿命14.48歳。食事回数を1日2食とする。

食べ物に制限のある一生を送った、ある犬のお話

一頭目のボーダーコリーは、とても綺麗で賢い子でした。

見た目と頭はとても良かった子なのですが(すぐ同じことを二回言いましたね。親バカです)、日常生活における重大な弱点が一つ。

それは、お腹をすぐに下すこと。小さい頃から頻繁に下痢をしていました。

主に食事の世話をしていた私の母親が、色々な肉の種類のフードを試していましたが、最終的には1、2種類の肉以外はアレルギー反応が起こるから与えられないという結論に達していました。
また、動物病院で療法食のドライフードを勧められたため、若い頃からずっと療法食のドライフードを食べていました。

極たまに豚肉や牛肉をあげると、余程美味しいのか、興奮してほとんど噛まずに飲み込んでいた様子が印象に残っています。

彼は高齢になっても変わらず時々お腹を下しており、制限のある食事を続けていました。

そして彼が14歳を迎えて数カ月経った頃。
最期の最期、寝たきりになり、とうとう食事も摂れなくなってしまった彼を見ていて、私はふとこんな思いを持ったのです。

「こんなにあっという間の一生なら、美味しいものを、食べられるうちに沢山食べさせてあげれば良かった。」

「アレルギー」や「○○が弱い」といった言葉で可能性を潰していないか。

こちらを見つめる犬

確かに一頭目の犬は、ドッグフード以外の、焼いた肉やジャーキーなどを与えた日にお腹を下すことは多くありました。

一方で、いつものドッグフードしか与えていないのに、お腹を下す日もあったのです。

繰り返していた下痢の本当の原因が何かは、今となっては分かりません。
彼が亡くなった後、手作りご飯を知り、また犬の食事について学ぶうちに、当時私自身や家族が気付けていなかった視点を知りました。

それは、本当の原因を特定できているわけではないのに、食事制限だけで対処しようとして根本的な問題の解決にはなっていなかったかもしれないということです。

繰り返す下痢の原因には、例えばドッグフードをコーティングしている油の酸化、添加物、ドッグフードに使われている食材の質…といった事柄が関わっていたのかもしれない。
そもそもの原因は食べ物や体質ではなく、生活上で下痢を引き起こす何か、例えば強いストレスを感じていたことがあったのかもしれない。
病気や腫瘍などが原因で下痢になることもあるらしい。

そして、お腹を下していても食欲はいつもと変わらずある場合も多く、下痢=必ず体調不良である、とも言い切れませんでした。

手作りご飯は、添加物が含まれず(あるいは極少量で)、食材本来の水分を多く含んでいます。そして、食材の質も私たち人間が食べるものと同等であることが多いでしょう。

もし手作りご飯を取り入れていたら、代謝が上がり、老廃物を排出しやすくなり、身体が内側から整うことで、下痢という症状の形で出ていた彼の中の何等かの不具合が、多少は改善していた可能性はあります。
また、下痢は食べるものの質がいつもと変わった際などに、腸内環境をリセットするために起こる場合があるということも当時は知りませんでした。

人の食べ物を欲しがり、たまに焼いた肉などをあげるととても喜んでいた彼は、対処的にいつも特定のドッグフードばかり与えられる一生と、もっと根本的な原因を探りつつ色々な美味しいものを沢山食べられる一生と、どちらが幸せだったのか。

当時から手作りご飯という選択肢を持っていれば、食から生まれる喜びの思い出を沢山持って旅立ってくれたのかもしれないな、と考えたりもします。

犬たちに美味しい手作りご飯を届ける

笑顔のボーダーコリー

一生でたった1万回の食事から、どれだけの喜びや心身の健康を犬たちに与えられるか。これは、飼い主さん次第です。

もちろん、例え食事は毎日味気ないものであっても、その分毎日一緒にいて、沢山運動をして、沢山遊んで、沢山身体のお手入れをしてあげている…という場合は、犬たちは十分に幸せなのかもしれません。

しかし散歩は当然としても、毎日犬が本当に満足するまで沢山構ってあげるとか一緒にいてあげるといったことは、現実的に考えてなかなか難しい方も多いのではないでしょうか。
私自身、家族で分担できているから良いものの、一人だけで一日2、3回、合計3時間程度の散歩を毎日続けなければならなくなったら…今まで通りには仕事もできなくなるでしょう。

対して食というものは、忙しい飼い主さんでも、犬のその日の幸福度や一生の健康度を手軽にアップしてあげることができる手段だと思います。

そんな食の中で、美味しさや身体への優しさで注目されているのが、手作りご飯です。

毎日インスタント食品や栄養食といった食生活でも、便利ですし命を繋ぐことはできます。一方で、家庭の手作りご飯や、あるいはレストランの厨房で作られた料理には、自然な食材本来の風味と美味しさがあり、身体や心を優しく満たしてくれます。

…とは言え、手作りご飯に興味はあっても「ちゃんと作れているか不安になってしまう」「忙しくて時間がない」「料理が苦手」という方もいらっしゃいますよね(「料理が苦手」は私です…)。

Idea dog chefは、そんな飼い主さんたちに代わって、犬たちに美味しくて身体に優しい手作りご飯をお届けし、食から犬たちと飼い主さんの喜びを生み出すお手伝いをしています。

・忙しくて料理をする時間が無くても、料理が苦手でも、本当に手作りのご飯を用意できる。
(食材をカットしたり、お鍋を混ぜたり、真空パックしたり、Idea dog chefでは製造は全て人の手で大切に行っています)

・食材一つ一つの色や形、量などが分かるので飼い主さんも安心。入っている食材のサイズ感や食感が様々なご飯は、犬にとっても刺激的。
(同じ手作りご飯でも、食材が全てすり潰されたような状態のご飯もあります)

また、個人的にこんな点も気に入っています。
工場で一定の管理下で製造されたご飯なので、手作りであっても友人のワンちゃんへプレゼントしやすいのです。

よその家庭の台所で作られた手作りご飯だと、いくらドライフードより美味しくて無添加だと言われても、ちょっと自分の家の犬にあげるのは心配だな…と感じませんか?

Idea dog chefのお仕事を始めてから、犬を飼っている友人にご飯をプレゼントしてみたところ、
「今までこんなに豪華なご飯をあげたことが無かったし、犬も凄く喜んで食べてくれたよ!」と、とても嬉しそうに感想を教えてくれました。

犬が好きな方であれば、犬が喜ぶと飼い主さんも一緒に嬉しくなってしまうのは想像に難くないですよね。

あの日、一頭目の犬が寿命を目前にして食べることができなくなった様子を見て感じた、
「こんなにあっという間の一生なら、美味しいものを、食べられるうちに沢山食べさせてあげれば良かった。」という一抹の後悔。

愛犬を亡くした時に、同じような後悔を覚える飼い主さんが一人でも少なくなるように。

「いっぱい散歩に行ったね」「いっぱい一緒に過ごしたね」、そして「いっぱい美味しいご飯を食べたね」と、笑顔で送り出せるように。

Idea dog chefを通じて、美味しい手作りご飯を、一頭でも多くの犬たちにお届けできればと思います。